「お茶の時間」にしませんか?
大阪の、とある保険事務所。スタッフは社長と営業マン、そして美人クラークの3人だけ。どんなにいそがしくても、お気楽オフィスのティーブレイクは、時間をえらばすはじまります。
  ♪〜 スラスラ
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愛と早春とピアノの詩集の巻
田渕君(渕):
 客席、満員やったな。

長澤クン(澤):
 そうでしょ。鈴木華重子さんの「ピアノの詩集」、二日間ともチケット完売だもん。

(渕):あのホールって何人ぐらい入るんやろ。
(澤):兵庫県立芸術文化センターの大ホールは、たしか2000人以上入るんじゃなかったかしら。
(渕):そやろな。ザ・シンフォニーホールよりチョイ大きそうやもん。
(澤):そうか、田渕さんはこのホール初めてだものね。
(渕):ここ、めちゃ気に入ったな。シックで落ち着いた雰囲気やし。入っただけでクラシックの演奏会に来たという特別な気分にさせてくれるわ。

(澤):よかった。またいい演奏会があれば来ましょうよ。
(渕):こんどはちゃんと仕事が終わってからの演奏会にな。
(澤):社長が電話番してくれてるんだから、気を遣うものね。
(渕):ほんまに気ぃ遣こてんのんかいな。
(澤):もちろんよ。

(渕):しかし、このホールを二日間とも満員にするんやから、鈴木華重子さんもたいしたもんやな。
(澤):ほんとよね。
(渕):ランチタイムコンサートって500円で聴けるやろ。でも二日間で合計4000人入ったら、200万円の収入やで。でも自主公演と書いてあったから、そこから会場費やパンフレット代を差し引いて・・・
(澤):そういう野暮な計算はしないのっ!

(渕):悪い悪い。でも、華重子さんって綺麗な人やな。あのブルーのドレスも魅力的やったし。
(澤):鈴木さんって、幸太さんはじめ、いろんな人たちの伴奏者として演奏を聴かせていただいてたけど、ソロのピアノ演奏を聴くのは私も始めてなのよ。
(渕):キミは月曜日にも、いずみホールであった長原幸太さんの演奏会にも行ったんやろ。
(澤):「愛と早春のヴァイオリン」ね。あの時は幸太さんが主役で、華重子さんが伴奏。そういえばあの時もブルーのドレスが似合ってたわ。

(渕):同じ服しか持ってないのんか。
(澤):違うわよ。ブルーでも同じドレスじゃありません。今日みたいなグラデーションじゃなくってもっと深いブルーのドレスよ。わたしもああいうの着て幸太さんの伴奏をしてみたい。
(渕):何をファンタジーしとるねん。風邪をひくのは得意やけどピアノなんかは弾けんやろが。でも、俺も幸太さんに代わって華重子さんの伴奏でヴァイオリンなんか弾けたらええけどなぁ。
(澤):って思うでしょ。

(渕):そら、楽器が弾けたら楽しいやろ。社長も言うてたやん。神戸のピアジュリアンに、幸太さんと若い演奏家仲間が集まって好き勝手に演奏してるのを見ると、ほんとに楽しそうやったって。
(澤):今日の演奏会って、モロその仲間でやってるって感じでしょ。いつも伴奏で世話になってる華重子さんのために、忙しい中をみんなで集まって一肌脱ごうって。

(渕):アンコールでシューベルトの「鱒」を演奏してくれたやろ。第二ヴァイオリンの佐久間聡一さんも、次のスケジュールがあるからって、そのアンコール前にメッセージだけ残して去ってゆくところなんて、ニクイ演出やよな。
(澤):別に演出じゃないでしょうけど、その佐久間さんのことを、華重子さんがついつい「佐久間クン」なんて言ってしまったりね。

(渕):すぐ「佐久間さん」って言い直してたけどな。ところで、いずみホールの演奏会のほうはどうやったん?
(澤):いずみホールの「愛と早春のヴァイオリン」では、もちろん幸太さんのヴァイオリンを思いっきり堪能したわよ。それにさ、司会の日下部吉彦さんが幸太さんにインタビューされてて、いろんな裏話が聞けたのよ。これがまた楽しかった。
(渕):ふーん、たとえば?

(澤):6月の定期演奏会のとき、開演前に大植さんが倒れて、急遽幸太さんのリードでブラ4を演った時の大慌ての舞台裏とか。
(渕):社長が感心して、第一楽章の終わりで思わず拍手してしもたっていう演奏会やな。
(澤):あと、中学生の頃、ヴァイオリンを習うために、広島から大阪の先生のところまで新幹線で通ってたって話とか。

(渕):そういえば、クラシックの演奏会、特に「定期演奏会」っていうのはそういうのがないやろ。指揮者でも誰でもええから、ちょっとそういう話を挟んでくれたらオモロイのになぁ。大阪クラシックの時はそうやったやん。ああいうのを定期演奏会でもせえっちゅうねん。
(澤):そうよね。指揮者の人も自分の演奏について、言葉で伝えたいこともあるでしょうからね。「今日はこういう考えで、楽器の配置をこんな風に工夫してみました」とかさ。

(渕):そうそう。例えば、今日なんかやったら、鈴木華重子さんはいろんな有名人の伴奏をしてきてるから、あの人のあんなクセとか、意外におバカな演奏家とか、演奏中にセクハラされた話とか。そういう裏話。
(澤):言われヘン、言われヘン。って言うより、ショパンの曲の間にそういうお話、聞きたい?
(渕):聞きたないか?
(澤):う〜ん。やっぱりちょっと、そういうのも聞きたいかな。
(渕):やろ。うちの社長のウンチクよりよっぽど面白いと思うけど。

(澤):もうすぐ梅田に着くわよ。これからどうするの。
(渕):これからこのまま営業に行くよ。
(澤):ずるいよなぁ。私はまっすぐ事務所に帰らなきゃ。そしたら社長にイヤミたらたら言われるに決まってるんだから。

(渕):そら、しゃあないやろ。俺は今日の昼休みだけやけど、キミは今週2回も事務所を抜けてるんやから。でも、次は社長も「マタイ受難曲」に行くんやから、そんなに機嫌悪くはないと思うけど。
(澤):帰って、なんて言ったらいいんでしょうね。
(渕):マタイイ?って。
(澤):言えるかっ!

まぁまぁ

【りっきりのおすすめCD】
 ⇒柊恵一(実は長原幸太) ヴァイオリンソロアルバム
 ⇒ショパン:作品集


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兵庫県立芸術文化センター大ホールで鈴木華重子さん(Pf)によるワンコイン・コンサ
2008/03/07(金) 10:38:56 | エンターテイメント日誌 
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